小学校では英語ができていたのに、なぜ中学でつまずくのですか?


目次

● 質問

小学校では英語ができていると思っていました。
授業も楽しそうだったし、成績も悪くありませんでした。

それなのに、中学に入った途端
「英語が分からない」「点が取れない」と言うようになりました。

小学校では英語ができていたはずなのに、
なぜ中学でつまずいてしまうのでしょうか?

小学校英語が必修化され、
早くから英語に触れてきた世代にもかかわらず、
中学英語で苦手意識をもつ子は少なくありません。

この理由について、整理して解説します。


● 回答

率直に言えば、
小学校で英語ができていたように見えても、
中学英語でつまずくことは珍しくありません。

ただし、それは
子どもの才能や努力不足が原因ではありません。

多くの場合、
小学校英語と中学校英語の目的・前提が大きく違うこと
が原因です。


小学校英語は「慣れること」が目的

小学校の英語授業には、次のような特徴があります。

  • 聞く・話すが中心
  • 歌やゲームなど、楽しい活動が多い
  • 英語ギライにさせないことを重視

そのため、

  • 大きな声で言える
  • フレーズを覚えて発表できる
  • 授業に積極的に参加できている

といった状態でも、
「英語ができている」と評価されやすくなります。

これは決して悪いことではなく、
小学校英語としては正しい目的でもあります。


中学校英語は「読む・書く」が前提になる

一方で、中学校に入ると英語学習の前提が大きく変わります。

  • 単語を正確に読む
  • スペルを書く
  • 英文を理解する
  • 長文を読む

これらが、最初から求められます

中学1年生の授業では、
「小学校で700語程度の単語には触れてきたよね」
という前提で、授業が進むことも少なくありません。

この切り替えについていけないと、
英語は一気に難しく感じられるようになります。


「英語が分からない」の正体

中学生が口にする
「英語が分からない」という言葉の多くは、

  • 読めない
  • 書けない

という状態から来ています。

文法以前に、
文字を見て音や意味を取る力が足りていない
ケースが非常に多いのです。


つまずきの原因は「才能」ではない

中学英語でつまずく原因は、
才能やセンスの問題ではありません。

多くの場合、

  • カタカナ読みのまま覚えている
  • ローマ字読みで単語を追っている
  • 音と文字のつながりを理解していない

といった状態で進んでしまったことが原因です。

これは、
小学校英語の授業内では十分に扱われにくい部分でもあります。


小学生のうちにできる対策はあるのか

結論として、
小学生のうちであれば、十分に対策は可能です。

音と文字のつづりのルールであるフォニックスを学習することが大事です。

たとえば、

  • aのような1文字で1つの音を表す読みのルールを知る
  • ai / oa のような
    「2文字で1つの音」を表す読みのルールを知る

などを読めるようにしておくだけでも、

  • 単語が自分で読める
  • 英文を追いやすくなる
  • スペル理解につながる

といった変化が出てきます。

実際に、
英語がほとんど読めなかった子でも、

忙しくて毎日できない日があっても、
習い事や体調不良で間が空くことがあっても、

7週間で
「2文字で1つの音(rain / boat など)」
まで読めるようになったケース
があります。

丸暗記ではなく、
音と文字のルールを理解した結果です。


英会話をやっていれば安心、ではない

よくある誤解として、
「英会話をやっているから大丈夫」という考えがあります。

しかし、

  • 聞く・話す力
  • 読む・書く力

は、同じ英語でも求められる力が異なります。

中学英語で必要なのは、
読む・書くを支える基礎力
です。

英会話を否定するつもりはありませんが、
それだけで学校英語が十分にカバーできるとは限りません。


まとめ

小学校英語と中学英語のギャップに備えるための判断目安は、次の通りです。

  • 小学校英語を「楽しめている」だけ → 注意が必要
  • 単語を見て自分で読める → 中学英語に入りやすい
  • ローマ字読みが強い → 早めの対策がおすすめ

小学生のうちに「読む力の土台」を整えておくことが、
中学英語をスムーズに始める鍵
になります。


小学校英語と中学英語のギャップに悩んだら

ここまで読んで、

  • 小学校英語と中学英語は、求められる力が違う
  • 「英語が分からない」は、読めない・書けないが原因
  • 小学生のうちに準備できることがある

と感じた方も多いかもしれません。
「うちの子、このままで大丈夫かな…」
と少しでも感じた場合は、

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この記事を書いた人

おうちキッズ英語 代表
元小学校英語教師。6年間のべ1600人以上に指導。
公立小学校で担任を経験したのち、英語専科教員となる。
現在は1人娘を育てながら、お子さんを英語好きにしたい親御さん向けに
オンラインレッスンをしている。

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