英語嫌いになってしまう原因って何ですか?
子どもが英語を嫌いになる理由について、私の小学校英語教師としての経験からお話します。のべ1600人以上指導してきて、実際にとったアンケート結果からも、子どもたちが英語嫌いになる理由は次の3つに大きく集約されることが分かりました。
理由は以下の3つです。
- 言っていることが分からない
- 英語で話すのが苦手
- 英語が読めない
以下に詳細を書きます。
1. 言っていることが分からない
英語を学び始めると、「何を言っているのかわからない」と感じる子どもが多くいます。これは英語嫌いの大きな要因です。さらに、子どもたちは日本語で意味が分かっているのに、わざわざわからない英語でそれを聞かなければならないことに疑問を感じることがあります。例えば、いきなり「never」と言われても、自分のレベルに合っていない英語に触れさせられると、本当に何を言っているのか分からない状況に置かれ、英語を嫌いになってしまうのです。言っていることを推測する力=曖昧さに耐える力、この力が不足していると、すべてを日本語に訳そうとし、英語に対する抵抗感が増してしまいます。子どものレベルにあったもの+1くらいのレベル感のものに触れさせていくことが大事です。
2. 英語で話すのが苦手
英語を学んでいると、インプットだけでなくアウトプットする機会も出てきます。特に小学5年生になると、パフォーマンステストと言って、日ごろの学習の成果を測るために、クラスの前で一人ひとり英語のスピーチを話す機会が増えます。このとき、「間違えたらどうしよう」と不安になる子どもがとても多いです。英語の発表があるから英語が嫌だという子もいて、ゲームやクイズ、友達との会話は楽しんでいても、自分で英語を人前で話すことが苦手だと感じる子がいます。日本語でさえ緊張する発表の場面で、英語となるとさらにプレッシャーを感じるのです。これを乗り越えるためには、家庭で日ごろから英語を話す機会を作ることが大切です。少しずつ英語を使う練習をし、アウトプットに繋げるための声かけのコツを知っておくことが重要です。これができるようになると、子どもたちはスピーチや英語で会話することが楽しいと感じ、達成感を味わえるようになります。
3. 英語が読めない
英語が言えても、文字につながらず英語が読めないということから英語嫌いになる子も多いです。英語絵本を読み聞かせても、「日本語で読んで」と言うのですと相談にいらした受講生さんもいました。小学3年生からの「聞く・話す」に加えて、小学5年生から「読む・書く」が学習に加わります。小学校の英語授業ではコミュニケーションに重点が置かれるため、読む練習が不足しがちです。スピーチややりとりが学習のゴールとされ、小学校の先生たちも多忙、かつ英語の専門ではない先生も多いため、読む練習に時間が取れないことが多いです。
加えて今の子どもたちは小学3年生の国語の授業でローマ字を習います。英語の読み方と混ざる子が多く、Tapeをタペと読むこともあります。小学校でフォニックス読み(英語の読み方)はあまり取り扱わないので、ローマ字が英語の読み方だと思っている子もいます。
これを乗り越えるためには、日ごろからアルファベットやフォニックス読みに慣れる、英語絵本の読み聞かせをすることがおすすめです。これにより、「読む・書く」がメインとなる中学校での英語学習が楽になるのはもちろん、使える英語力もグングン身につきます。
この記事では、英語嫌いになりがちな理由について説明しました。
英語嫌いになる理由を理解し、英語嫌いにさせないコツを知って実践することで、英語嫌いな子どもが英語を好きになる可能性はまだまだ十分にあります。
ぜひ、これらの理由と対策を参考にして、子どもたちの英語学習をサポートしてあげてくださいね。